日本病理学会は13日、「病理診断報告書患者伝達確認のためのマニュアル」を公表した。病理診断報告書が臨床担当医を通じて患者へ確実に伝達されるよう、必要なシステム対応や院内の連絡体制を示している。
マニュアルは、病理診断報告書が臨床担当医に提出されたものの、患者に内容が伝えられず、患者の不利益につながった事例を踏まえ、学会の見解をまとめたもの。
マニュアルでは、「重要ポイント」として、病理診断を依頼した医師による診断結果の確認漏れを防ぐため、病理診断報告書が提出された際、患者の電子カルテの目立つ部分にアラートを表示し、担当医に院内メール等で自動伝達するシステムの導入を推奨。また、悪性あるいは悪性疑いなど特に注意を要する場合については、フラッグを自動的に立てて注意喚起するシステムの構築が必要とした。その上で、「電子カルテシステムの各メーカーの対応・協力が喫緊の課題」としている。
病理診断を依頼した臨床医には未読報告書がたまる前に毎日チェックするよう求めている。臨床各科の指導医に対しても病理診断科からの報告書に必ず目を通し、提出医が結果を確認することが望ましいとした。報告書を複数の医療者間で共有することも重要と指摘している。