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■NEWS 「診療参加型臨床実習を充実させたい」―全国医学部長病院長会議の山下会長が方針表明

No.4920 (2018年08月11日発行) P.19

登録日: 2018-08-03

最終更新日: 2018-08-03

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全国医学部長病院長会議(AJMC)の山下英俊会長は7月31日の定例記者会見で、診療参加型臨床実習の充実に向けて取り組んでいく方針を表明した。

同会議は5月の理事会で新会長に山形大医学部長の山下氏、副会長に愛知医大病院長の羽生田正行氏を選任した。任期は2年間。

会長として初の会見に臨んだ山下氏は、今年5月に前会長の新井一氏と日本医師会の横倉義武会長が医学教育に関する共同提言を公表したことを紹介。

共同提言では、医学部卒前教育における学生の到達目標を「患者の全身を診ることができ、病態を理解し緊急対応を含め必要な措置がとれること」と設定し、これを臨床研修、専門医研修へとシームレスにつなげるための具体策として、①共用試験(CBT、OSCE)を公的なものにする、②診療参加型臨床実習の実質化を図り、Student Doctorとして学生が行う医行為を法的に担保する、③国家試験への出題は診療参加型臨床実習に即したものに限定し、CBTとの差別化を明確にする、④臨床研修を卒前教育・専門医研修と有機的に連動させるべくその内容を見直す―の4項目を提唱していた。

山下氏は「この方針で医学教育改革を進め、日本の医療を支え、社会に貢献できる医師を育てていきたい」と抱負を語るとともに、「特に診療参加型臨床実習を充実させたい。医師として活躍できるよう、現場で勉強できる環境をつくることはAJMCの大きな役割」と意欲を示した。

■東京医大不正入試問題でコメントも

このほか山下氏は、東京医大の不正入試問題に関する見解を記者から問われたのに対し、「どういうことが行われたのかニュースのレベルでしか知らないので、何が問題か見極めて判断したい」と述べる一方、「今後医学部定員が大きく動いていくなかで、入学者選抜(のあり方)は大きな問題なので、国民から納得してもらえるような制度について各大学と情報交換しながら、意見を発信する必要がある場合には、発信したい」と話した。

新会長の山下氏(右)と新副会長の羽生田氏

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