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面談の進め方[末期がん患者・家族とのコミュニケーション技法(3) 基礎編]

No.4730 (2014年12月20日発行) P.42

梁 勝則 (林山クリニック希望の家院長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-15

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  • 1. 初回診察時の面談の進め方1)

    患者・家族と信頼関係を築くためには初回診察時の面談が最も大切であり,ここで相互理解が深まれば以後の診療がスムーズになる。ほとんどの患者・家族は前医から病状や見通しについて説明を受けているが,医師の説明内容と患者・家族の理解度にはきわめて大きな隔たりがあるので,診療情報を鵜呑みにせず,相互の共通認識を再構築することが肝要である。

    1 面談を開始する

    筆者は身体診察やエコーなどの検査を終えてから会話を始めることを原則にしている。なぜなら,予想外に病状が重篤な場合があり,その結果によっては説明がまったく変わってしまうからである。

    診察が終わったら,患者の好む角度(多くはほぼ真正面)で向き合い,穏やかに視線を合わせながら「少しお話をしてもよろしいでしょうか?」と許可取りをする。

    2 患者がどの程度理解しているかを知る

    まず,患者が予後も含めて病気のことをどのように把握しているのかを尋ねる。質問は以下の2つであるが,②は①の質問に対する返答の中で語られるかもしれない。

    ①‌「差し支えなければ,ご自分ではご自分の病気についてどう思っていらっしゃるのか,教えて頂いてもよろしいでしょうか?」

    ②‌「前の医師は,あなたの病気についてどのように説明をしましたか?」

    しばらくの沈黙はあるかもしれないが,辛抱強く待つと患者は大抵答えてくれる。この質問によって患者の病状に対する医学的な理解度や感情,また今後の診療に対する希望などについて知ることができる。

    その後,家族にも補足情報について以下のように尋ねる。

    「ご家族の方,何か追加したいことや訂正したいことがあれば,教えて頂いてもよろしいでしょうか?」

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