乾癬性関節炎(PsA)の基本病態は付着部炎であり,二次性滑膜炎を生じるが,関節リウマチ(RA)の基本病態は関節(一次性)滑膜炎である
PsAでは付着部炎の周囲への波及により,爪病変や指趾炎をしばしば生じる
PsAでは仙腸関節炎や脊椎関節の靱帯骨棘形成(syndesmophyte)をしばしば認めるが,RAの体軸病変は上位頸椎(環軸椎)の滑膜炎(破壊が進行すれば致命的な亜脱臼を生じる)が特徴的である
PsAの末梢関節X線では,骨びらんよりも近接する骨増殖が基本的変化であるが,RAでは骨びらんまたは骨萎縮であり増殖性変化は生じない
TNF阻害製剤は両者に有効であるが,IL-17阻害製剤はPsAのみに高い有効性を示している
乾癬患者はわが国の人口の0.3%程度で,そのうちの10~15%がPsAと診断されている1)。男女比は1.5〜2:1で,好発年齢は30〜50歳代である(表1)。他方,わが国における関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の患者数は乾癬患者数と同程度であるため,PsAよりRAのほうが約8倍多い。男女比は1:3で,好発年齢は40〜50歳代である。