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(2)病態から見た乾癬性関節炎と関節リウマチの鑑別[特集:乾癬性関節炎診療の最適化]

No.4951 (2019年03月16日発行) P.34

亀田秀人 (東邦大学医学部内科学講座膠原病学分野教授)

登録日: 2019-03-18

最終更新日: 2019-03-13

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乾癬性関節炎(PsA)の基本病態は付着部炎であり,二次性滑膜炎を生じるが,関節リウマチ(RA)の基本病態は関節(一次性)滑膜炎である

PsAでは付着部炎の周囲への波及により,爪病変や指趾炎をしばしば生じる

PsAでは仙腸関節炎や脊椎関節の靱帯骨棘形成(syndesmophyte)をしばしば認めるが,RAの体軸病変は上位頸椎(環軸椎)の滑膜炎(破壊が進行すれば致命的な亜脱臼を生じる)が特徴的である

PsAの末梢関節X線では,骨びらんよりも近接する骨増殖が基本的変化であるが,RAでは骨びらんまたは骨萎縮であり増殖性変化は生じない

TNF阻害製剤は両者に有効であるが,IL-17阻害製剤はPsAのみに高い有効性を示している

1. 乾癬性関節炎(PsA)と関節リウマチ(RA)の疫学の比較

乾癬患者はわが国の人口の0.3%程度で,そのうちの10~15%がPsAと診断されている1)。男女比は1.5〜2:1で,好発年齢は30〜50歳代である(表1)。他方,わが国における関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の患者数は乾癬患者数と同程度であるため,PsAよりRAのほうが約8倍多い。男女比は1:3で,好発年齢は40〜50歳代である。

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