リアルタイム持続血糖モニター(CGM)は血糖値を常に確認することができるため,糖尿病の自己管理に有用な機器である
ガーディアンTMコネクトは患者自身のモバイル機器(スマートフォンやタブレット)をデータ表示機器として使用するリアルタイムCGMである。血糖変動を確認できるだけでなく,低血糖や高血糖を60分前に予測して通知するアラート機能が搭載されているため血糖コントロールの最適化に有用である
ガーディアンコネクトは今までのリアルタイムCGMと異なり,遠隔モニタリング機能も付帯しているため,装着している人の血糖値や血糖変動を,離れた場所にいる家族や保護者等が確認することを可能とする
糖尿病治療において頻用される血糖管理指標はHbA1cと血糖値である。しかし,HbA1cは過去約1~3カ月の平均血糖値を反映する指標である。一方,血糖値はその時点の値を把握することは可能であるが,その前後の血糖値の推移や低血糖(特に夜間や無自覚で起きているもの)を把握することは困難である。この解決策となるのが,24時間の血糖変動の可視化を可能とした持続血糖モニター(continuous glucose monitoring:CGM)である。CGMが測定しているセンサグルコース値は血液中のブドウ糖濃度ではなく,組織間質液中のブドウ糖濃度であるため,血糖値と乖離が生じる。そのため,血糖自己測定(self monitoring of blood glucose:SMBG)で測定した血糖値をもとに,センサグルコース値を較正する必要がある(以下の記述では,センサグルコース値も便宜上「血糖値」として表現する)。リアルタイムCGMは直近に測定した血糖値を常に確認できるため,自己管理にきわめて有用である。
リアルタイムCGM(低血糖/高血糖を通知する機能あり)の有用性を示す試験として,頻回インスリン療法中の1型糖尿病患者158人を対象としたリアルタイムCGM群とSMBG群のランダム化比較試験がある。介入後24週の時点でリアルタイムCGM群において有意なHbA1cの低下を認めた。さらに1日当たりの低血糖と高血糖時間はリアルタイムCGM群で有意に減少し,至適血糖値の範囲内(70~180mg/dL)にコントロールされる時間も有意に改善していた1)。
以上のように,リアルタイムCGMを使用することにより,血糖変動のパターンを患者自身が把握できるようになるため,食後の運動量を増やしたり,低血糖予防の対策を事前に講じたり,インスリン量の調節などを自主的に行えるようになり,最終的に治療満足度の向上に繋がってQOLが改善することも示されている2)3)。