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■NEWS 米国糖尿病学会(ADA)―2型DMに対するDPP-4阻害薬のCVイベント抑制作用はSU剤に非劣性も優越性は示せず:CAROLINA試験

登録日: 2019-06-12

最終更新日: 2019-06-12

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SU剤はわが国で、2型糖尿病(DM)例に頻用されてきたが、心血管系(CV)安全性に懸念が表明されていたのも事実である。一方、DPP-4阻害薬は安全性に関しプラセボに非劣性であることが、複数の大規模ランダム化試験で確認されている。そのようなコンテクストの中、結果報告が待たれていたのが、DPP-4阻害薬とSU剤であるグリメピリドの心血管系イベント抑制作用を、比較的低リスクの2型糖尿病で比較したランダム化試験 "CAROLINA" である。67日から11日まで米国サンフランシスコで開かれていた米国糖尿病学会において、初めて結果が報告された。DPP-4阻害薬はCV安全性に関し、グリメピリドに「非劣性」が示されたものの、「優越性」の証明には至らなかった。アーヘン工科大学(ドイツ)のNikolaus Marx氏が報告した。

CAROLINA試験の対象は、HbA1cが、血糖低下薬未使用、またはメトホルミン服用下で「6.58.5%」、あるいはSU剤、またはグリニド服用下で「6.57.5%」の2型糖尿病で、血管疾患既往、あるいはCVリスクを認めた6033例である。平均年齢は64歳、4割が女性だった。HbA1c平均値は7.2%、糖尿病罹患期間中央値は6年間強だった。BMI平均は30kg/m2、推算糸球体濾過率「60mL/分/1.73m2未満」は20%弱しか含まれていなかった。

これら6033例は、DPP-4阻害薬リナグリプチン5mg/日群(3023例)とグリメピリド1~4mg/日群(3010例)にランダム化され、二重盲検下で6.3年間(中央値)追跡された。

追跡期間中のHbA1cは両群間に差を認めず、血圧、血清脂質も同等だったが、体重は1.5kgながら、DPP-4阻害薬群で有意に低くなっていた。さらに「中等度以上の低血糖」(初発のみ)の発生率も、グリメピリド群の8.4100例・年に対し、DPP-4阻害薬群では1.4100例・年と、著明かつ有意な減少が認められた(ハザード比 [HR]0.1895%信頼区間 [CI]0.150. 21)。

にもかかわらず、1次評価項目である「CV死亡、心筋梗塞(除:無症候性)、脳卒中」の発生率は両群とも2.1100例・年で、差はなかった。グリメピリドに対するDPP-4阻害薬の「優越性」は証明されなかった形だが、「非劣性」は確認された(p<0.0001)。

また1次評価項目を構成する3イベントはいずれも、両群間に有意差を認めなかった。さらに、総死亡、心不全関連イベントにも、群間に有意差は認められなかった。

本試験は、Boehringer Ingelheim社とEli Lilly社から資金提供を受けて行われた。

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