免疫グロブリンG(immunoglobulin G:IgG)4関連疾患は,全身の様々な臓器に腫大・腫瘤性病変を呈し,診断が確実ならば中等量ステロイドが病初期には著効する1)。
診断は厚生労働省研究班IgG4関連疾患包括診断基準によりなされる2)。血清IgG4増加と病理組織中IgG4陽性形質細胞増多から診断されるが,同様の徴候を呈する悪性腫瘍や膠原病などの鑑別診断が重要である。
病変の臓器分布,多臓器病変の有無が重要で,全身CTスキャン,18FDG-PET/CT(保険適用なし)の施行が望ましい。肺,膵臓,腎臓,大動脈などの重要臓器病変では,治療開始の遅れが不可逆的な臓器機能不全をきたしうるため,早期治療開始が重要である。一方,病変が涙腺や唾液腺などに限局し自覚症状が乏しい場合は,無治療経過観察も選択肢となる。
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