株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の現在の考え方と治療法について

No.4992 (2019年12月28日発行) P.62

田中 徹 (日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野)

髙園貴弘 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科臨床感染症学/長崎大学病院呼吸器内科)

登録日: 2019-12-26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(allergic bronchopulmonary aspergillosis:ABPA)(あるいは真菌症)の現状,治療の考え方について,教えて下さい。
    長崎大学・高園貴弘先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    田中 徹 日本医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野


    【回答】

    【新しい診断基準が提案されている】

    ABPAは,アスペルギルス属に対するⅠ,Ⅲ,Ⅳ型アレルギーで生じる気道の炎症性破壊を伴う肺のアレルギー性疾患です。原因はA. fumigatusが多いですが,スエヒロタケなどのアスペルギルス属以外の真菌を原因とすることもあり,これらはアレルギー性気管支肺真菌症(allergic bronchopulmonary mycosis:ABPM)と総称されます。

    診断には従来からRosenbergの診断基準が頻用されてきました。一次基準は,①喘息症状あるいは既往,②末梢血好酸球増多,③アスペルギルス抗原に対する即時型皮膚反応陽性,④アスペルギルスに対する沈降抗体陽性,⑤血清総免疫グロブリン(immunoglobulin:Ig)E高値,⑥移動性または固定性の肺浸潤影の既往,⑦中枢性気管支拡張所見です。二次基準は,①喀痰からのアスペルギルス属の繰り返す検出,②粘液栓の喀出,③アスペルギルス抗原に対するArthus(遅発型)皮膚反応陽性です。

    残り986文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    公立小浜温泉病院

    勤務形態: 常勤
    募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
    勤務地: 長崎県雲仙市

    公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
    現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
    2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
    6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

    当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
    2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
    又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

    ●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
    今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top