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重症喘息のbio製剤の使い方

No.5001 (2020年02月29日発行) P.53

矢寺和博 (産業医科大学医学部呼吸器内科学教授/産業医科大学病院呼吸器病センター部長)

髙橋浩一郎 (佐賀大学医学部附属病院呼吸器内科講師)

登録日: 2020-02-27

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  • 重症喘息のbio製剤の使い方についてご教示下さい。佐賀大学・髙橋浩一郎先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    矢寺和博 産業医科大学医学部呼吸器内科学教授/産業医科大学病院呼吸器病センター部長


    【回答】

    【重症喘息に対するbio製剤は症例の特徴(フェノタイプ)を見きわめて使用する】

    気管支喘息の10%程度が,吸入ステロイドや長時間作用性β2刺激薬などの標準治療を行ってもコントロール不良な重症喘息と考えられています。重症喘息には様々な特徴(フェノタイプ)を持っている患者が含まれていますが,好酸球が優位でインターロイキン(interleukin:IL)-4,IL-5,IL-13などのサイトカインが関与する2型炎症と,好酸球の関与が少なくIL-17などが関与する非2型炎症に大別されます。重症喘息の中では,2型炎症の特徴を持つ患者が大部分を占めています。

    わが国では,重症喘息に対するbio製剤(分子標的治療)として,抗IgE抗体〔オマリズマブ(ゾレア®)〕,抗IL-5抗体〔メポリズマブ(ヌーカラ®)〕,抗IL-5受容体α抗体〔ベンラリズマブ(ファセンラ®)〕,抗IL-4受容体α抗体〔デュピルマブ(デュピクセント®)〕の4製剤が上市されています。これらのbio製剤は2型炎症の特徴を持つ重症喘息に効果があり,コントロールが格段に向上しました。非2型炎症の重症喘息に対するbio製剤はいまだ上市されている製剤はありません。

    bio製剤の使用法は,オマリズマブは血清免疫グロブリンE(immunoglobulin E:IgE)値が30~1500IU/mLの範囲内で使用可能で,IgEと体重により投与量,間隔(2週間または4週間おき)を決定します。メポリズマブは4週おき,ベンラリズマブは8週おき(最初の3回は4週おき),デュピルマブは2週おきの投与です。

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