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僧帽弁位における経カテーテル的弁置換術

No.5009 (2020年04月25日発行) P.55

飯野賢治  (金沢大学先進総合外科講師)

登録日: 2020-04-24

最終更新日: 2020-04-21

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【検討すべき課題は多いが,今後の臨床応用に期待】

僧帽弁に対する経カテーテル的弁置換術(transcatheter mitral valve replacement:TMVR)は,様々な動物実験がなされ1),2012年にCardiAQ valve system(Edwards Lifesciences)が僧帽弁閉鎖不全症(MR)に対して初めてヒトに臨床応用された2)。その後,多くのデバイスが開発され,feasibility trialが行われている。18年にTendyneTM(Abbott)を用いた経カテーテル的僧帽弁置換術の早期成績が報告されている3)

臨床試験では,通常の僧帽弁置換術(MVR)や,経カテーテル的僧帽弁形成術ができない高度MR患者100例を対象としており,術後30日の成績を報告している。手技成功率97%,98.7%の患者が術後30日の時点でMRがtrace以下になったと報告されている。また,通常のMVRが高リスクなMR患者に対してIntrepidTM valve(Medtronic)を用いたTMVRと通常のMVRの手術成績を比較したランダム化試験(APOLLO trial)も進行中である。
TMVRはどのような患者に適しているのか,また,どのような解剖学的特徴に適しているのか,検討すべき課題は多いと思われるが,今後の臨床応用が期待される。

【文献】

1) Iino K, et al:Eur J Cardiothorac Surg. 2012;41 (3):512-7.

2) Sondergaard L, et al:EuroIntervention. 2015; 11(Suppl W):W76-7.

3) Muller DWM, EuroPCR 2018 Late-breaking Trials in Interventional Cardiology.

【解説】

飯野賢治 金沢大学先進総合外科講師

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