70歳代,男性。以前より下痢しやすく,3年前より下痢が続くようになった。体重減少はない。半年前,運動中に下血した。大腸内視鏡はS状結腸以降挿入不可能で,観察可能な範囲では憩室のみ認められ,周囲粘膜生検は軽度の炎症所見のみ。注腸造影ではS状結腸と上行結腸の多発憩室とS状結腸の狭小化,CTではS状結腸に炎症所見が認められ,上行・S状結腸の多発憩室とS状結腸の憩室炎と診断された。以後も左下腹部違和感が残存しCRP 2程度の炎症所見が持続するため,精査目的で紹介受診した。身長163cm,体重53kg,貧血・黄疸なし,脈拍90/分,血圧140/83mmHg,栄養状況良好,機会飲酒,喫煙歴なし。
来院時検査所見:WBC 6800(seg 72.2%,ly 18.1%,mo 5.9%,eo 3.7%,ba 1.0%),Hb 11.4,MCV 86,PLT 31.5万,ALB 4.0,AST 22,ALT 19,γ-GTP 19,CK 85,Cr 0.84,Glc 100,CRP 3.09, CEA 1.4,CA19-9 3。