【喘息の重症化と喘息死の危険因子の追記など主に6点】
「喘息予防・管理ガイドライン2018」1)が2018年6月に発刊された。その改訂ポイントについて概説する。
①喘息の増悪の危険因子がアップデートされ,重症化と喘息死の危険因子が追記された。
②気道炎症の分子病態に関する最新の知見が追記された。
③治療ステップにおいて長時間作用性抗コリン薬(LAMA)が治療Step 2からと推奨範囲が拡大されたほか,治療Step 4に抗IL-5抗体製剤,抗IL-5受容体α鎖抗体製剤,気管支熱形成術が追記された。
④吸入指導については,手順,進め方,現状と重要性の内容ごとに,より詳細に記載された。
⑤「ステロイド抵抗性喘息」が新規に追記され,「1秒率が70%未満で気管支拡張薬により15%以上の気道の可逆性はあるが,PSL(0.5mg/kg:20~40mg)を10~14日間内服しても気管支拡張薬使用前の1秒率の改善が15%未満」と定義された。
⑥「高齢者喘息」に関する記載がアップデートされ,高齢者喘息における吸入療法の問題点とデバイス選択,薬物療法の注意点とその対策が追記された。
【文献】
1) 「喘息予防・管理ガイドライン2018」作成委員:喘息予防・管理ガイドライン2018. 協和企画, 2018.
【解説】
堀口高彦*,近藤りえ子 藤田医科大学呼吸器内科学Ⅱ講座 *教授