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小腸腫瘍[私の治療]

No.5049 (2021年01月30日発行) P.32

大宮直木 (藤田医科大学医学部医学科消化器内科学Ⅰ講座主任教授)

登録日: 2021-01-28

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  • 小腸の長さは全消化管の70~80%,小腸の粘膜面積は全消化管の90%以上を占めるが,小腸腫瘍の頻度は全消化管腫瘍の5%と稀である1)。良悪性問わず,小さな腫瘍は無症状であり,早期発見が難しい。

    悪性腫瘍には,悪性リンパ腫(濾胞性リンパ腫,びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫,MALTリンパ腫,マントル細胞リンパ腫,バーキットリンパ腫,T/NK細胞性リンパ腫等),消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor:GIST),小腸癌,転移性小腸腫瘍,神経内分泌腫瘍(高分化型 neuroendocrine tumor:NET),神経内分泌癌(低分化型 neuroendocrine carcinoma:NEC)等があり,良性腫瘍には過誤腫,腺腫,迷入膵,血管腫,脂肪腫,リンパ管腫,炎症性類線維ポリープ(inflammatory fibroid polyp:IFP),平滑筋腫等があり,種類は多彩である。転移性腫瘍の原発巣の半数は肺癌である。出血・貧血をきたす腫瘍はGIST,小腸癌,転移性腫瘍,血管腫に多い2)

    上部消化管・大腸内視鏡検査,腹部超音波検査,腹部CT検査等を行い,器質的疾患が除外された腹部不定愁訴の患者は,機能性消化管障害と診断されがちであるが,小腸内視鏡検査でさらに器質的小腸疾患がないことを確認する姿勢が必要である。消化管ポリポーシス(家族性大腸腺腫症,Peutz-Jeghers症候群等)の患者は,小腸腫瘍を合併する頻度が高いので,無症状でもカプセル内視鏡やバルーン内視鏡等による定期的なサーベイランスが必要である。

    ▶診断のポイント

    原因不明の顕性・潜在性消化管出血,腹痛,腸閉塞を呈する患者に遭遇したら小腸病変を疑う。
    腹部造影CTは,1cm以下の腫瘍や管腔内腫瘍の描出に劣る。小腸X線検査も1cm以下の腫瘍の描出率が低い。カプセル内視鏡は小病変の描出能は高いが,粘膜下腫瘍の見落とし率が20%あると報告されている。バルーン内視鏡の診断能が最も高い2)

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