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SGLT2阻害薬による腎保護作用の実態やそのメカニズムに関する最新の知見について

No.5050 (2021年02月06日発行) P.55

小川 渉 (神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌内科学教授)

前川 聡 (滋賀医科大学糖尿病内分泌・腎臓内科教授)

登録日: 2021-02-05

最終更新日: 2021-02-03

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  • SGLT2阻害薬による腎保護作用の実態やそのメカニズムに関する最新の知見についてご教示ください。
    滋賀医科大学・前川 聡先生にご回答をお願い致します。

    【質問者】

    小川 渉 神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌内科学教授


    【回答】

    【代謝改善,体重減少,血圧降下,TGF改善,酸素供給量やケトン体の増加が腎保護に関与する】

    SGLT2阻害薬の大規模臨床試験のサブ解析で,腎保護作用の可能性が示されました。腎保護作用をprimary endpointとして行われたCREDENCE試験にて,主要評価項目である末期腎不全・血清クレアチニン値の倍増・腎臓死・心血管死の複合イベント発生率は,プラセボ群に比べて30%減少したと報告されました。副次評価項目である複合腎アウトカム(末期腎不全・血清クレアチニン値の倍増・腎疾患による死亡)は34%,末期腎不全単独では32%,透析導入・腎移植・腎臓死の複合腎アウトカムは28%と,それぞれリスクが低下することが示され,腎保護作用が証明されました。

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