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RS3PE症候群[私の治療]

No.5105 (2022年02月26日発行) P.48

岡田正人 (聖路加国際病院Immuno-Rheumatology Centerセンター長)

岩田太志 (聖路加国際病院Immuno-Rheumatology Centerフェロー)

登録日: 2022-02-27

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  • RS3PEとは疾患の特徴である,寛解(Remitting),RF・抗CCP抗体陰性(Seronegative),対称性(Symmetrical),手背・足背の圧痕性浮腫(Synovitis with Pitting Edema)の頭文字から命名されている。男性にやや多く,リウマチ性多発筋痛症(PMR)と同様に高齢者に好発するが,本疾患のほうがやや高齢という報告がある。

    PMRと同じくステロイドによく反応することが多いが,悪性腫瘍を背景に持つ場合は反応性が低下することがある。悪性腫瘍の治療で症状が消失することもある。
    病態は,血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の増加による滑膜の血管新生や,血管透過性の亢進により浮腫が生じることが示唆されている。24.7%に悪性腫瘍が認められたという報告があり,傍腫瘍症候群のひとつと考えられているが,悪性腫瘍の有無で臨床症状に違いはみられない。

    ▶診断のポイント

    明確な診断基準はなく,特異的な検査も存在せず,CRPやESRが上昇する。自然免疫性のPMRと同様,具体的な日時を覚えているほど突然発症の場合が多い。両側対称性・末梢優位の少関節の腫脹が認められ,両手,両足背の圧痕性浮腫を伴うことが特徴で,PMRや血清陰性関節リウマチとの鑑別が重要となる。

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