【質問者】
山岡邦宏 北里大学医学部膠原病・感染内科学教授
【基準を設け予防投与を検討する。予防投与にはST合剤を用いる】
PCPは,膠原病および類縁疾患の治療中に一定の確率で発生します。致死率が高いため,スルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST)合剤,ペンタミジン吸入による予防投与が行われてきました。CTD(connective tissue diseases)治療中の患者におけるアトバコンの有効性も少しずつ報告されてきています1)。
予防投与の対象を考慮する際,CTD患者全体と,分子標的治療(生物学的製剤・JAK阻害薬)を受ける関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)患者にわけて考えています。私たちは,グルココルチコイド(GC)大量療法などの強力な免疫抑制治療を受けるCTD患者には全例にST合剤を導入します。常法ではトリメトプリム換算で560mg/週を投与しますが,減量しても有効である可能性も示されています2)。
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