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医療における不確実性〈総論〉─不確実な状況から“逃げず”に“受け入れる”[プライマリ・ケアの理論と実践(143)]

No.5117 (2022年05月21日発行) P.10

朴 大昊 (ファミリークリニック加古川院長)

登録日: 2022-05-19

最終更新日: 2022-05-18

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SUMMARY
医療現場には答えの見えない問題が多く,それに対する適切なアプローチはこれまであまり示されてこなかった。今回,そういった不確実な状況に対する問題の同定,分類,そして適切なアプローチについてカテゴリーわけして紹介する。

KEYWORD
医療における不確実性
医療現場で遭遇するあいまいで答えの見えない状況のこと。ついつい安易な検査,紹介,説明等の「使えない対処法」に逃げてしまいがちではあるが,適切に受け入れて分類し,「使える解決法」で対処すれば診療の質を向上させることができる。

朴 大昊(ファミリークリニック加古川院長)

PROFILE
2010年鳥取大学卒業。沖縄県立中部病院で研修後,波照間診療所,鳥取大学医学部地域医療学講座助教を経て,大山診療所で鳥取大学家庭医療教育ステーションの立ち上げを行った。2021年5月にファミリークリニック加古川を開業。

POLICY・座右の銘
自分が変われば世界が変わる

1 医療現場は不確実性に溢れている

診療していると,単純な因果関係で説明できない事象や断言できないような状況にたびたび遭遇する。むしろそれこそが医療と言えるかもしれない。昨今の新型コロナウイルス感染症を巡る種々の議論もまた,誰も先を見通すことのできない“不確実さ”に一般の住民や患者さんのみならず,医療者の我々まで翻弄されたのではないだろうか?

改めて医療における不確実性を取り扱うのは,医療者,特にプライマリ・ケア医の役割であるとの思いを胸に,今回から4回にわたって医療における不確実性についていかに扱うべきか,その助けとなる考え方について概説する。







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