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分析とネットワークにおける不確実性─診断と紹介での不確実性の扱い方のコツ[プライマリ・ケアの理論と実践(144)]

No.5119 (2022年06月04日発行) P.10

櫻井重久 (鳥取市立病院総合診療科医長)

登録日: 2022-06-02

最終更新日: 2022-06-01

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SUMMARY
診断が不確実なときや,専門医に紹介すべきか,するとしたらどこにどのように紹介すべきか迷うとき,「何をしたらいいかわからない」状態に陥ることがある。そのような状態での不確実性の扱い方について紹介する。

KEYWORD
ホールディングスキル
「何をしたらいいかわからない」状況において,支持的な態度で患者の不安を軽減しながら,早急な結論を出さず,適切なフォローアップ等により不確実性を適切に扱うスキル。

櫻井重久(鳥取市立病院総合診療科医長)

PROFILE
自治医科大学卒業。初期研修を経て,鳥取県内の医療へき地の公立病院や診療所に勤務しながら,日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医を取得。現在,鳥取市立病院総合診療科に所属している。

POLICY・座右の銘
名医であるより良医であれ

1 ケース

CASE:86歳女性。1週間ほど前から徐々に増強する下腿浮腫を主訴に内科外来を受診。

身体所見では両下腿圧痕性浮腫のみ,血液検査ではアルブミン低値とCRP高値,胸腹部CTでは特に異常はなかった。

浮腫と炎症反応高値の原因を特定できず,途方に暮れた担当医は患者を循環器内科に紹介したが,「心機能は年齢相応で特に異常ありません」との返事であった。担当医は何らかの慢性炎症による低アルブミンからの浮腫や,RS3PE症候群などを鑑別に挙げつつも確定できないため,外注検査を追加し,抗菌薬と利尿薬を処方し,数日後に再診の予約をとった。

付き添いの長女は担当医に不信感を感じ,「がんを見逃していないか」「病名は何か」「本当にこれで良くなるのか」と詰め寄っている。担当医はどうしたら良いかわからず,この場から逃げたくなっている。







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