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ベーチェット病[私の治療]

No.5120 (2022年06月11日発行) P.44

桐野洋平 (横浜市立大学医学部血液・免疫・感染症内科学講師)

登録日: 2022-06-11

最終更新日: 2022-06-07

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  • 再発性口腔潰瘍,毛囊炎様皮疹・結節性紅斑などの皮疹,外陰部潰瘍,ぶどう膜炎,関節炎を発作性に繰り返す原因不明の指定難病である。一部の患者には腸管,神経,血管病変を併発する。

    ▶診断のポイント

    【症状】

    再発性口腔潰瘍はベーチェット病患者のほとんどに認める主要徴候である。診断には様々な症状の再発性が重要である。受診時には既に症状が消失していることも多く,写真などで病変の性状を確認する。針穿刺部が24~48時間後に膿疱形成・発赤する「針反応」は特異度の高い所見である。発熱,排尿時痛,霧視,腹痛,頭痛など,病変部位によって多彩な症状を呈する。

    【検査所見】

    ベーチェット病の診断に有用な疾患特異的な検査所見は存在しない。HLA-B51は健常な日本人の約15~20%が保有しており,診断には有用でない。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    まず「重症」に分類される眼・腸管・神経・血管病変と,「軽症」に分類される皮膚粘膜障害・関節症状の,大きく2つに症状をわけて治療戦略を考える。

    【治療上の一般的な注意&禁忌】
    〈注意〉

    針反応を惹起する可能性があることから,外傷を避けるように指導する。

    口腔内衛生状態が病気の悪化に関連しており,歯科治療を促す。

    〈禁忌〉

    神経ベーチェットまたは疑い例に対してシクロスポリンは禁忌である。

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