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不確実性を教育と患者の視点から捉える─不確実性は学習者や患者と共有できる[プライマリ・ケアの理論と実践(146)]

No.5121 (2022年06月18日発行) P.10

遠藤美穂 (森町家庭医療クリニック)

登録日: 2022-06-16

最終更新日: 2022-06-15

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SUMMARY
医師と患者にとって不確実性は避けられないものであり,患者視点の不確実性も認識した上で,不確実性を扱えることが医師のプロフェッショナリズムの重要な要素のひとつである。

KEYWORD
不確実性は患者と共有できる
不確実性を患者とともに受け入れることで,より良い医師-患者関係を構築することができ,医師としての成長がよりいっそう促されるだろう。


遠藤美穂(森町家庭医療クリニック)

PROFILE
2017年愛知医科大学卒業。長崎医療センターで初期研修修了。現在は静岡家庭医養成プログラムの総合診療・家庭医療専攻医として,森町家庭医療クリニックで外来・訪問診療に従事している。

POLICY・座右の銘
Only live once.

1 教育の視点から考える不確実性

不確実性は医療のあらゆる場面に存在している。たとえば,診断までの過程や治療,医師-患者関係,多職種チームとの関係性などが,1つまたは複数絡み合うことで不確実性が生まれる1)。不確実性を扱う力がないと,他医への不適切な紹介や過剰な検査・治療に繋がり2),不確実性への耐性が低いと,不確実性がより少ない専門科を選択するといったキャリアへの影響があることや3),医師のバーンアウトに繋がることも示されている4)。つまり診療における不確実性を扱う力が非常に重要である一方で,現在の日本の医療現場では,不確実性について体系的に教育を受ける機会は多くないと思われる。

そこで本稿では,Mapping Uncertainty in Medicine(MUM)1)で述べられている,不確実性を4カテゴリー(分析・ネットワーク・交渉・チームワーク)に分類する教育方法について紹介する。







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