大腸癌は2018年度の最新がん統計では,死亡数は男女計で1位と年々増加傾向にある。stage 0~1の生存率は90%以上と,転移のない段階での発見・治療により十分な予後が期待できる1)。
対策型検診では40歳から逐年便潜血検査が推奨され,陽性の場合は全大腸内視鏡検査の適応となる。一方,早期がんの発見には便潜血検査では不十分で,内視鏡検査が必要となる1)。
早期がんに対する内視鏡治療の適応は,転移のリスクのない早期がん〔上皮内がん(Tis)~粘膜下層浅層がん(T1a)〕である2)。早期がんに対してはendoscopic mucosal resection (EMR)で,断端陰性での一括切除が必須となる。2cm以上の早期がんを疑う病変で,通常EMRによる一括切除が難しいと判断される病変に対しては,endoscopic submucosal dissection(ESD)を選択する。
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