高血圧を腎不全や脳卒中のリスク要因として管理するのではなく、ホルモン異常が集積した1つの疾患と捉えて治療することをモットーに掲げる。
外来では、血圧値ではなく、患者の全身の動脈硬化リスクを評価した「通知表」を基に“治せる”高血圧か否かを判定。患者に現在の立ち位置を知らせ、納得のいく治療方針を提案している。
大学卒業後、高血圧の大家である猿田享男氏の下で、診療の基本を学んだ。有用な治療薬が登場する一方で、受診を中断する患者が少なくなく、患者と触れ合う中で市原さんは「薬を飲んでも高血圧は一生治らない」という諦めの気持ちが治療の中断につながっていると知った。「高血圧の約1割は二次性高血圧ですが、その中には原発性アルドステロン症のように“治せる”高血圧がある。きちんと原因を調べれば、“治せる”高血圧を治すことができます。“原因不明”の本態性高血圧を少しでも減らそうという思いで診療に臨んでいます」
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