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漢方において「先達に学ぶ」ことの意義と心得について

No.5152 (2023年01月21日発行) P.52

三谷和男 (三谷ファミリークリニック院長/ 奈良県立医科大学大和漢方医学薬学センター 特任教授)

西本 隆 (西本クリニック院長)

登録日: 2023-01-23

最終更新日: 2023-01-17

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  • 伝統医学の修得に際して,かつては師の背中から学ぶことが一般的でした。師からは,手取り足取りで指導してはもらえません。その中で我々は,まず古典を繙くことが必須条件でした。「守破離」も含め,「先達に学ぶ」ことの意義と心得を,優れた先達・松本克彦先生の薫陶を受けられた西本クリニック・西本 隆先生に教えて頂きたいと思います。

    【質問者】

    三谷和男 三谷ファミリークリニック院長/ 奈良県立医科大学大和漢方医学薬学センター 特任教授


    【回答】

    【「先達に学ぶ」とは,先達の未知を識ること,そしてその先に向かうこと】

    学ぶ力とはなにか。私は「感性」だと思っています。そして「学ぶための感性」を昇華させていくためには,「考える力」をつけること。そのためには医学以外の本を読み,美しいものに感動することも必要です。

    学問はとりあえず「識る」ことから始まりますが,「識る」ことは単にスタートラインに立つことであり,大事なのはそこから一歩一歩前に進むことです。では,「前に進む」ためにはどうしたらよいでしょうか。テクニカルな話をすると,我々の目の前に星屑のように散らばっている「知識」,これを目に見える形にまとめ上げ,開示し,我々も含めてこれから学ぼうとする者が素早く,自由にアクセスすることができるようにすることです。これを我々が成し遂げることが急務と考えます。「知識の山」に階段をつけていく仕事です。

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