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ピルフェニドンとニンテダニブの使い分けと導入時の副作用対策について

No.5162 (2023年04月01日発行) P.48

佐藤慎二 (東海大学医学部リウマチ内科教授)

須田隆文 (浜松医科大学医学部内科学第二講座(内分泌・呼吸・肝臓内科学分野)教授)

登録日: 2023-04-03

最終更新日: 2023-03-28

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  • ピルフェニドンとニンテダニブの使い分けならびに抗線維化薬の継続率を上げるため,導入時の副作用対策についてご教示下さい。
    浜松医科大学・須田隆文先生にご回答をお願いいたします。

    【質問者】佐藤慎二 東海大学医学部リウマチ内科教授


    【回答】

     【ピルフェニドンとニンテダニブの有効性は同等であり,主に副作用のプロファイルを考慮して使い分けされる】

    現在,ピルフェニドンとニンテダニブの使い分けに関する十分なエビデンスはありません。特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)においては,この2剤の有効性に大きな違いはなく,したがってそれぞれの副作用のプロファイルの違いを考慮して,患者ごとにどちらかが選択される場合が多いです。また,2剤とも服用の継続率を高めるためにも,治療導入期のそれぞれの副作用プロファイルに合わせた適切な副作用対策が重要と考えられています。

    ピルフェニドンとニンテダニブは,いずれも抗線維化薬として日常臨床で広く用いられるようになりましたが,その使い分けに関しては十分なエビデンスはありません。ただ,わが国では,ピルフェニドンはIPFだけが保険適用となっていますが,ニンテダニブはIPFに加え,強皮症に合併した間質性肺炎や,疾患を問わず標準治療を行っても進行し,線維化に至る間質性肺疾患(progressive fibrosing interstitial lung disease:PF-ILD)も保険適用となっています。

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