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VEXAS症候群を疑う患者像について

No.5165 (2023年04月22日発行) P.54

藤枝雄一郎 (北海道大学病院リウマチ・腎臓内科)

桐野洋平 (横浜市立大学大学院医学研究科 血液・幹細胞免疫内科学講師)

登録日: 2023-04-24

最終更新日: 2023-04-18

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  • VEXAS(vacuoles,E1 enzyme,X-linked,autoinflammatory,somatic)症候群を疑う患者像,および同症候群を疑った場合,どこに相談すべきかについてご教示下さい。
    横浜市立大学・桐野洋平先生にご解説をお願いいたします。

    【質問者】藤枝雄一郎 北海道大学病院リウマチ・腎臓内科


    【回答】

     【男性,炎症高値,全身皮疹,肺浸潤,軟骨炎,大球性貧血などを認めることが多い】

    VEXAS症候群は2020年に米国NIHのグループが発見した後天性自己炎症性疾患です。骨髄造血幹細胞のUBA1というE1ユビキチン活性化酵素に機能喪失型変異が生じ,さらにクローン造血が起きて発症します。症状は多彩ですが,VEXAS症候群を疑う患者像には炎症高値,全身皮疹,肺浸潤,軟骨炎,大球性貧血などを認めることが多いです。

    UBA1という遺伝子はX染色体に存在しているため,通常は男性に発症します。これらの臨床像的特徴を認める患者に遭遇した際は,積極的に骨髄スメアを施行して,赤芽球・骨髄球中に多数の空胞像(vacuoles)が確認されればVEXAS症候群の可能性が高まります。いまだに診断基準は確立していませんが,末梢血中のUBA1のバリアントを確認することは重要です。VEXAS症候群自体は保険病名ではないため,遺伝子検査は保険適用ではありません。

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