下村博文文部科学大臣は11日、最短で2015年4月としていた東北地方での新設医学部の開校を約1年延期する方針を明らかにした。
東北地方への医学部新設は、昨年10月に安倍晋三首相が検討を指示したもの。東日本大震災からの復興支援と東北地方の医師不足改善を目的とし、教員確保による地域医療への影響に配慮して1校に限り認めるとしている。
延期の理由について下村文科相は「自民党の東北ブロック議員の会合で(新設構想を発表している)大学の担当者から準備が間に合わないと話があった」と説明。今後のスケジュールについては、関係者との交渉を進める中で改めて提示するとした。
文科省は今年5月としていた新設構想の提出期限を約1カ月延長し、夏までに新設先の大学を決定。省内の有識者会議の審査を経て、文科相が秋に正式に認可する方針。
これまでに医学部新設に手挙げしているのは、東北福祉大、東北薬科大(ともに仙台市)の2校。また14日には、福島県郡山市の一般財団法人脳神経疾患研究所を中核とする南東北グループが同市内での医科大新設構想を文科相に申請する意向を明らかにしている。