ヘモクロマトーシスは鉄過剰症のひとつである。種々の鉄代謝異常により鉄過剰となり,諸臓器の実質細胞に鉄が沈着して組織に障害をもたらす。臨床徴候として肝障害,肝硬変,肝癌,糖尿病,皮膚色素沈着,心不全や甲状腺・副甲状腺・下垂体・性腺機能低下が挙げられる。
血清鉄上昇,トランスフェリン飽和度上昇,血清フェリチン値上昇により本疾患を疑う。原発性は遺伝子診断による。続発性の大部分である輸血後鉄過剰症は,血清フェリチン値500ng/mL以上かつ総輸血量20単位(小児はヒト赤血球液50mL/体重kg)以上により診断する。
残り1,354文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する