5月に大阪で開かれた日本糖尿病学会年次学術集会で、Con-troversy「DPP-4阻害薬はすべて同じか、違うのか?」が行われ、現在使用可能な7剤のDPP-4阻害薬について、「有用性は同等」と「似て非なるもの」の相対する立場から意見が交わされた。
このうち、「有用性は同等」との立場から中村昭伸北大院助教は、SU薬、BG薬で効果不十分な2型糖尿病患者(日本人357例)に対するシタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン追加投与における有用性、安全性に関する無作為化非盲検比較試験(COSVA試験)の結果、「3剤のHbA1cに対する有効性は同等」「尿酸、腎機能に対する影響はどの薬剤も同等」であることが明らかになったと報告。
これに対し「似て非なるもの」という立場から麻生好正獨協医大教授は、「DPP-4阻害薬は血糖降下作用では似たような結果を示すが、それ以外では固有の作用、すなわち個性を持っていると考えられる」と指摘。
「特に排泄経路の違いにより、腎障害を有する糖尿病患者ではDPP-4阻害薬間での使い分けを考慮する必要がある」との考えを示した。