アミロイドーシス(amyloidosis)は難溶性蛋白であるアミロイドが臓器に沈着し,複数の臓器が障害される全身性と,限局した部位にのみ沈着する限局性に大別される。全身性アミロイドーシスでは,不整脈,心不全,蛋白尿,腎不全,頑固な便秘や下痢,末梢神経障害などの様々な全身症状がみられ,予後不良である。
アミロイドのもととなる前駆蛋白により細分類されているが,病型により病態,治療法が異なるため,病型診断が重要である。治療法の進歩により予後が改善してきており,専門医への紹介やコンサルトが重要である。
多彩な臨床症状からアミロイドーシスを疑い,生検組織のコンゴーレッド染色でアミロイドの沈着を証明し,免疫組織染色または質量分析によるアミロイド蛋白の同定により病型が決定される。
ALアミロイドーシスは単クローン性の形質細胞由来の免疫グロブリンの軽鎖,AAアミロイドーシスは慢性炎症に伴って肝臓で産生される血清アミロイドA(SAA),ATTRアミロイドーシスはトランスサイレチン(TTR),Aβ2Mアミロイドーシスはβ2ミクログロブリン(β2MG)が前駆物質となる。
ATTRアミロイドーシスの病型診断にはTTR遺伝子検査で変異の有無を確認する必要がある。
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