性腺(精巣あるいは卵巣)は,性ステロイドホルモン産生および配偶子形成という2つの機能を有する。2つの性腺機能は視床下部・下垂体・性腺軸により内分泌学的に調節されている。性腺機能低下症(hypogonadism,以下本症)は性腺機能が低下した疾患群の総称である。責任病変部位からは視床下部・下垂体に責任病変を有する中枢性および性腺そのものに責任病変を有する原発性に,病態生理からは2つの性腺機能の両者が障害を受ける本症および配偶子形成のみ障害を受ける本症,に分類される。本稿では原発性のうち2つの性腺機能の両者が障害を受ける本症についてのみ述べる。
・外陰部異常(胎児期発症に限り認めうる):出生時の性別不明性器,小陰茎,尿道下裂,二分陰嚢,停留精巣
・二次性徴発現不全(思春期前発症に限り認めうる)
・勃起不全,妊孕性低下,非特異的症状(性欲低下,乳房腫大,体毛の喪失,のぼせ,ほてりなど)
・二次性徴発現不全(思春期前発症に限り認めうる)
・無月経あるいは希発月経,妊孕性低下,非特異的症状(性欲低下,のぼせ,ほてりなど)
内分泌学的成績:成人期では,血中ゴナドトロピン高値,血中性ステロイドホルモン(男性:テストステロン,女性:エストラジオール)低値を認める。
その他:男性では精液検査で無精子症,乏精子症や,精子運動率低下を示す。女性では基礎体温で二相性を欠如する。
原則は性ステロイドホルモンの補充である。
残り1,208文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する