日本医師会の小森貴常任理事は12月24日の会見で、2017年度からスタートする新専門医制度について、医療過疎地での研修を実施するよう研修施設群に求めた。
新専門医制度は現在、19の基本領域の各整備基準に基づいて、研修施設群が研修プログラムを作成中。日本専門医機構が審査し今年6月にも公表する予定だ。
小森氏は、日本内科学会が作成した内科領域の整備基準では、地域医療の研修を重視し、指導医が在籍していない医療機関での研修を一定の要件下で認めていることを紹介。一方、他領域では、このような配慮がなされていないため、過疎地の研修が困難となり、こうした施設から他施設へ医師引揚げもやむなしという意見を多く聞いていることを懸念。
その上で、内科以外も過疎地での研修を一定の要件下で認めることを明確化し、全国の研修施設群が実行するよう求めた。さらに、関係者による協議の場を都道府県ごとに設けることも要請。「地域医療崩壊が絶対に起きないよう、心していただきたい」と強調した。