【Q】
婦人科領域において外陰痛はポピュラーな主訴のひとつですが,時に他覚的所見に乏しく対応困難な症例に遭遇します。視診上,形態的外陰部異常は認めず,腟分泌培養検査も異常がないにもかかわらず,患者は痛みのためにうまく歩けず,座っていてもピリピリする,性交渉も持てないと訴えます。的確な治療が施されなければ,ドクターショッピングすることになります。このような場合,どのように対応して治療を行っていけばよいでしょうか。大阪市立大学・森村美奈先生のご教示をお願いします。【A】
器質的疾患のない外陰痛の治療において最も大切なことは,患者の訴えを十分に傾聴し,「たとえ原因がわからなかったとしても医学的対応が必要な疾患である」ということを伝えることです。その上で,慢性的な外陰部の痛みに対する対症療法を行います。以下,当院での治療経験をもとに回答いたします。