【Q】
脂質異常症患者にスタチン製剤,フィブラート製剤,レジン(陰イオン交換樹脂),エゼチミブなどで治療を行う場合,LDL-Cの低下が認められるが,LDL-Cや中性脂肪(TG)の下降過度により問題が生じるか。 (青森県 W)【A】
まず,TGの下降過度については,低栄養以外では問題にならず,治療薬でそれほど強力な薬剤もない。そこで,ここではLDL-Cの下降過度についての問題点を中心に述べたい。LDL-Cを低下させる治療薬として,以前よりスタチンとレジンが効果的であるとされてきたが,2007年にエゼチミブが市販されたことで,最も強力な治療法としては,スタチンとエゼチミブの併用が選択されている。筆者らが調査した結果(文献1),この併用療法により,LDL-Cは約50%に低下することが期待できることがわかった。それでも,LDL-Cはせいぜい60~70mg/dLである。これが過度の低下と言えるであろうか。
1) Teramoto T, et al:Curr Ther Res Clin Exp. 2012; 73(1-2):16-40.
2) John C, et al:N Engl J Med. 2005;352(14):1425-35.
3) Ridker PM, et al:N Engl J Med. 2008;359 (21): 2195-207.
4) Sattar N, et al:Lancet. 2010;375(9716):735-42.
5) Amarenco P, et al:N Engl J Med. 2006;355(6): 549-59.