【Q】
糖尿病性認知症の臨床的特徴について。特に,インスリン抵抗性改善薬の効果を。【A】
糖尿病は血管性認知症やアルツハイマー病(AD)の発症リスクを高めるが,さらに脳血管性病変やADの病理よりも,糖代謝異常に伴う神経障害がより密接に関連している一群が存在し,糖尿病性認知症(diabetes-related dementia)と呼ばれている(文献1)。本症は,ADと診断されていることが多いが,ADに特徴的なSPECT(single photon emission computed tomography)による頭頂側頭葉や後部帯状回の有意な血流低下がみられず,MRIにおいても認知機能障害をきたすほどの脳血管性病変は認められない。
1) 羽生春夫, 他:日内会誌. 2014;103(8):1831-8.