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関節リウマチに対するMTX

No.4707 (2014年07月12日発行) P.53

渥美達也 (北海道大学免疫・代謝内科教授)

登録日: 2014-07-12

最終更新日: 2016-10-26

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メトトレキサート(MTX)が関節リウマチに対するアンカードラッグであると定義されて久しい。一方,日本人は欧米人に比べてMTXの必要量も忍容性も低いことが日常臨床から推定されており,実際,長期にわたってわが国での最大承認用量は8mg/週であった。2011年,MTXの用量が公知申請により16mg/週まで引き上げられ,多くのリウマチ専門医に歓迎された。しかしながら,MTXの長期投与は,消化器症状,肝障害,造血障害にとどまらず,ニューモシスチス肺炎,MTX関連リンパ増殖性疾患など,重篤な合併症と関連している。抗TNF療法の際にもMTXの併用が通常行われているが,抗TNF療法はMTXを最大限使用しても寛解に至らない症例が原則として対象となるため,とにかくMTXを多く投与することが必要と認識されてきた。
近年発表されたCONCERTO試験は,アダリムマブを開始するときに必要なMTX量を検証したユニークなものである(文献1)。この試験の結果によると,アダリムマブの効果を最大に引き出すMTX量として,10mg/週と20mg/週では差はなかった。すなわち,MTXの必要量は必ずしも多くなかった一方,副作用は20mg/週のほうが多かった。MTXは多く使うに越したことはない,という風潮を我々が再考するきっかけとなった。
前述したように,欧米で行われたMTXの研究結果は日本人には直接応用できないと考えられるが,治療に必要なMTXの投与量や期間を我々も再考する必要があるであろう。

【文献】


1) Burmester GR, et al:Ann Rheum Dis. 2014 Feb 18. [Epub ahead of print]

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