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尿路結石症とメタボリックシンドローム

No.4720 (2014年10月11日発行) P.53

柑本康夫 (和歌山県立医科大学泌尿器科准教授)

登録日: 2014-10-11

最終更新日: 2016-10-26

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尿路結石症予防のための食事療法や生活指導は,高血圧や糖尿病などの生活習慣病の予防法と共通点の多いことは以前から指摘されていたが,尿路結石症と生活習慣病の関連性については明確に示されていなかった。最近,海外の横断研究において,肥満,糖尿病,高血圧といった個々の生活習慣病やメタボリックシンドローム(MetS)の患者では,尿路結石症の合併が多いことが報告されるようになった。縦断研究においても,肥満患者や女性の糖尿病患者では腎結石の発生が有意に多いことが示されている。また,日本人の尿路結石症患者でも,MetS因子数と疾患重症度が有意に相関することが報告されている(文献1)。
MetSの本態とされるインスリン抵抗性は,腎尿細管におけるアンモニア産生障害から尿pHの低下をきたすことが明らかにされており,このため尿酸結石が形成されやすくなる(文献2)。また,MetS患者では尿中シュウ酸およびカルシウム排泄量の増加や,クエン酸排泄量の低下がみられることから(文献1),シュウ酸カルシウム結石も形成されやすくなる。
今日では,尿路結石症はMetSの一疾患と考えられるようになり,また,比較的若年者に多い尿路結石症の発症はMetSの警鐘ともとらえることができるため,泌尿器科医と内科医が連携してこれらの予防に取り組むことが求められている。

【文献】


1) Kohjimoto Y, et al:Am J Kidney Dis. 2013;61 (6):923-9.
2) Sakhaee K:Curr Opin Nephrol Hypertens. 2008; 17(3):304-9.

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