株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

CT画像でCPFEを診断する意義

No.4771 (2015年10月03日発行) P.56

谷本大吾 (川崎医科大学放射線医学(画像診断1)講師)

登録日: 2015-10-03

最終更新日: 2016-10-26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

CPFE(combined pulmonary fibrosis and emphysema)は,2005年にCottinら(文献1)によって提唱された疾患概念で,上肺野優位に肺気腫が認められ,下肺野の気腫性嚢胞周囲に間質性肺炎の所見が認められる疾患である。大半の患者は喫煙歴を有し,呼吸機能検査ではスパイロメトリーは正常ないし正常下限を呈するが,DLCO(肺拡散能)が低下しており,運動時に低酸素血症が認められる。拘束性障害や肺高血圧を生じると予後が悪いとされている。CPFEは1秒率がほぼ正常のことが多いため,COPD(chronic obstructive pulmonary disease)の診断基準から外され,見逃されてしまう可能性がある。このため,閉塞性障害が著明でないにもかかわらず,重度の労作時呼吸困難や低酸素血症がみられる場合は,CT検査で本疾患の有無を確認する必要がある。CTでは上葉の肺気腫と下葉の間質性肺炎の所見が認められる。
肺気腫のパターンはparaseptal emphysemaが多いとされており,間質性肺炎はhoneycombing, intralobular reticulation, traction bronchiectasisなど様々な所見を呈する。下葉の陰影だけみるとUIP(usual interstitial pneumonia)やNSIP(nonspecific interstitial pneumonia)などに類似した画像パターンを呈しており,IPF(idiopathic pulmonary fibrosis)と安易に診断しないことが重要である。また,CPFEは背景の肺気腫の影響で陰影が修飾されることが多い。このため,間質性肺炎の所見のみでなく,肺癌合併の有無に関しても注意深く読影する必要がある。

【文献】


1) Cottin V, et al:Eur Respir J. 2005;26(4):586-93.

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top