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クローン病におけるMRIの役割  【活動性評価や治療効果判定,再燃予測にも有用であることから,今後は治療戦略としてMRE/MRECが主軸に】

No.4801 (2016年04月30日発行) P.54

藤井俊光 (東京医科歯科大学消化器内科)

登録日: 2016-04-30

最終更新日: 2016-10-26

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クローン病は炎症が腸管狭窄や瘻孔形成,膿瘍の合併といった器質的な障害をきたして機能障害に陥り,腸管切除に至る慢性進行性の炎症性疾患である。小腸病変は無症候なことも多く,クローン病診療においては,症状のみでないリアルタイムな病態把握と,それに呼応した治療戦略の構築が必須である。
発症が若年で長期経過となるため,病態評価のモダリティは非侵襲的で放射線被ばくも回避できる必要がある。MRIは組織分解能が高いだけでなく,近年では高解像度になり撮像時間も短縮され,多彩なシークエンス撮影により多角的な評価が可能である。MR enterography(MRE)/MR enterocolonography(MREC)によるクローン病の診断能は感度80~85%,特異度89~100%で(文献1),メタアナリシスでもMRI,CT,消化管超音波の感度・特異度は同等であった。
MRIはcross sectional imagingであり,瘻孔や膿瘍の評価に頻用され,MRE/MRECはクローン病の腸管病変のみならず腸管外病変も同時に診断が可能である。また,スコアの開発による活動性評価や治療効果判定,さらには再燃予測にも有用であることが示され,今後は治療戦略としてMRE/MRECが主軸となる可能性がある。
検査へのアクセスや読影医の育成など課題もあるが,疾患モニタリングに最適なモダリティと考えられ,多くの施設に広がることが期待される。

【文献】


1) Fiorino G, et al:Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2011;9(1):23-31.

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