2020年東京五輪に向けて受動喫煙対策の強化を図る法律制定の動きを、母子保健に携わる小児科医の立場から推進する。たばこ問題を扱う学会の委員会や協議会の委員を数多く務め、たばこ対策に関わる医療者のリーダー的存在として、記者会見や啓発活動、政治家へのロビー活動に駆け回る。
厚生労働省が3月に公表した規制案は、公共の場所を「原則屋内禁煙」としつつ、職場などでの喫煙室設置を容認、30平米以下の飲食店を適用外とするなど例外も多い。齋藤さんは「妊婦の喫煙は胎児の発育を妨げ、親の喫煙は子どもの健康を損ねる。海外では『子どもの周囲での喫煙は虐待』という考えが常識になりつつある。受動喫煙対策は命と健康の問題として取り組むべきです」と話す。
産業医の立場からも、「30平米程度のお店では、たばこ2本で一酸化炭素濃度が環境基準を超えて“ガス室”のようになる。小規模飲食店での未成年の雇用を禁止する規定が必要です」と指摘する。
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