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高齢者糖尿病の管理:ガイドラインとサルコペニアに関して【認知機能低下の度合いおよび低血糖に関連する薬剤の有無によって目標HbA1c(下限値)を設定】

No.4854 (2017年05月06日発行) P.51

安藤明彦 (自治医科大学内科学講座内分泌代謝学)

登録日: 2017-05-01

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増加する高齢者に特有の問題への対応の必要性から,重症低血糖の回避と認知機能低下の影響を加味した「高齢者糖尿病診療ガイドライン」が日本糖尿病学会・日本老年医学会合同委員会により作成された1)。認知機能低下の度合いおよび低血糖に関連する薬剤の有無によって目標HbA1c(下限値)が設定されているのが大きな特徴である。ただし,低血糖関連薬剤の中でインスリンに持効型と(超)速効型の区別がなく,SU薬とグリニド薬が同列に扱われ目標HbA1c設定基準が明確でないなど,今後解決すべき課題が残されている。

高齢者では,骨格筋減少と体脂肪量増加が起こる2)。高齢者の筋肉量および筋力低下はサルコペニアと呼ばれ3),特に肥満を合併するとインスリン抵抗性が顕著となる。糖尿病患者では運動ニューロンを含む神経障害も筋力低下の原因となり4),頻度も高い5)。必須アミノ酸の摂取を考慮した食事療法とレジスタンス運動の併用が有用である6)

【文献】

1) 日本糖尿病学会:高齢者糖尿病の血糖コントロール目標について. [http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?page=article&storyid=66]

2) Gallagher D, et al:J Appl Physiol(1985). 1997;83(1):229-39.

3) Cruz-Jentoft AJ, et al:Age Ageing. 2010;39 (4):412-23.

4) Andersen H, et al:Diabetes. 2004:53(6):1543-8.

5) Kim KS, et al:Geriatr Gerontol Int. 2014;14 (Suppl 1):115-21.

6) Miller GD, et al:Obesity(Silver Spring). 2006;14 (7):1219-30.

【解説】

安藤明彦 自治医科大学内科学講座内分泌代謝学

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