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産業医による「勧告」を巡り議論【厚生労働省分科会】

No.4856 (2017年05月20日発行) P.16

登録日: 2017-05-18

最終更新日: 2017-05-18

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厚生労働省は15日の労働政策審議会安全衛生分科会で、産業医・産業保健機能の強化に向け前回4月20日の会合で示した4つの検討項目(用語解説)における対策の方向性を提案した。

産業医機能の強化は、政府が3月にまとめた「働き方改革実行計画」に労働者の健康確保の観点から盛り込まれた。15日の会合で議論になったのは「(就業場所の変更や作業時間の短縮など)就業上の措置内容を踏まえ、さらなる対応が必要な場合」にその実施を求める「産業医の勧告」を強化するための対策として厚労省が示した、産業医が勧告を行う前に事業者からその内容について意見を求めるとの方向性について。労働側委員から懸念する声が相次ぎ、佐保昌一委員(全日本自治団体労働組合)は「違和感がある。事前に事業者に報告するのであれば勧告が弱まる。従わない場合は理由の明記を義務化するなど、対応が必要ではないか」と問題視した。

産業医の勧告を巡ってはこのほか、山口直人委員(東京女子医大)が「『勧告』機能が強調されている印象だが義務となるのか」と質問。厚労省は「あくまで権限だが、事業者は尊重しなければならない。事業者と衛生委員会への報告という手続きを定めることで、より強化することが狙い」と説明した。

【産業医機能の強化に向け厚労省が示した検討項目】:①長時間労働者等への就業上の措置に対する産業医によるフォローアップ、②面接指導や健康診断の結果など、労働者の健康情報の適正な取扱い、③直接産業医に相談できる環境整備、④産業医の独立性、中立性の強化

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