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PCI術後のフォローアップカテーテル検査の必要性【単純病変は術後に非侵襲的検査を,解剖学的複雑性の高い場合は症例ごとに検討】

No.4862 (2017年07月01日発行) P.55

栗田隆志 (近畿大学医学部附属病院心臓血管センター教授)

安田 聡 (国立循環器病研究センター心臓血管内科部門長/副院長)

登録日: 2017-06-28

最終更新日: 2017-06-27

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  • 最近,わが国からReACT trialの結果が発表され,経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)後のフォローアップカテーテルによる予後の改善が否定されました。今後,従来の方針を変更するべきなのか,それとも行う意義はまだ存在するのかについてお聞かせ下さい。
    国立循環器病研究センター・安田 聡先生にご教示をお願いします。

    【質問者】

    栗田隆志 近畿大学医学部附属病院心臓血管センター 教授



    【回答】

    ReACT trialの報告は,薬物溶出性冠動脈ステント(drug eluting stent:DES)が用いられている現在のPCI後のフォローアップとして,「無意識にフォローアップ冠動脈造影(coronary angiography:CAG)を選択することは避けるべきである」というメッセージと考えます。

    本研究は,2010~14年にわが国において,PCI術後慢性期(8~12カ月後)に行われるフォローアップCAGの臨床的意義について検証した無作為割付試験です。冠動脈ステントとして,第二世代DESが対象者の90%に用いられ,おおむね現在のPCIに合致した症例群で構成されています。

    最終的に700人の症例を,①慢性期にフォローアップCAGを行う「CAGフォローアップ群」,②フォローアップCAGを行わず臨床経過観察を行う「臨床経過でのフォローアップ群」の2群にわけ,総死亡,心筋梗塞発生,脳梗塞発生,急性冠症候群による緊急入院,心不全による入院を合わせた複合エンドポイントを一次エンドポイントとして比較しました。

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