糖尿病治療薬,特にインスリンやスルホニル尿素(SU)薬との併用時には低血糖に注意する
尿糖排泄促進に伴う浸透圧利尿効果のため,利尿薬との併用は勧められない
シックデイ対策とその教育はきわめて重要である
2014年,新しいクラスの糖尿病治療薬・SGLT2阻害薬が発売された。本薬剤の作用点は近位尿細管であり,尿糖排泄増加に伴う浸透圧利尿による脱水や,尿路・性器感染症などの有害事象が懸念され,第2,第3相試験においても一定の頻度で出現していた。発売後も危惧されていた有害事象や,また,第2,第3相試験からは予見できなかった皮疹・紅斑などの皮膚症状も出現することが判明した。そこで,わが国での発売開始から1カ月間の有害事象報告を受け,日本糖尿病学会に「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」が発足し,2014年6月13日に「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」が発表された。その後も有害事象報告が増加していることをふまえて,今後の有害事象への未然防止を行う必要性から,同年8月29日にRecommendationは改訂された1)。本稿では,Recommendationの記載事項をもとに,注意すべき併用薬に関して概説する。
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