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SGLT2阻害薬の内服時における適正な食事療法 【食事の内容や量とともに適切な炭水化物摂取やシック・デイ時の休薬を患者に指導する】

No.4864 (2017年07月15日発行) P.56

廣田勇士 (神戸大学医学部附属病院糖尿病・内分泌内科)

矢部大介 (関西電力医学研究所副所長/京都大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学特定准教授)

登録日: 2017-07-12

最終更新日: 2017-07-11

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  • 近年,2型糖尿病患者の食事療法において,適切な炭水化物量についての議論があります。また,SGLT2阻害薬の内服に伴って,血中ケトン体の上昇が認められる場合があることが知られています。安全性の観点から,SGLT2阻害薬の内服時における適正な食事療法についてご教示下さい。関西電力医学研究所・矢部大介先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    廣田勇士 神戸大学医学部附属病院糖尿病・内分泌内科


    【回答】

    SGLT2阻害薬は,腎近位尿細管におけるグルコースの再吸収を抑制し,尿中グルコースの排出を促進することで,血糖改善作用や減量作用を有する新規の2型糖尿病治療薬です。特に,SGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンが,心血管疾患リスクの高い2型糖尿病患者を対象とした臨床試験において,心血管疾患死・非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中の複合エンドポイントを有意に抑制したことから世界的に関心が高まり,わが国でもSGLT2阻害薬使用者が増加しています。

    しかし,SGLT2阻害薬の上市直後,不適切な使用により重篤な副作用(尿路・性器感染症や体液量減少症,脳心血管疾患,低血糖症,皮膚障害等)が散見されたことをふまえ1),「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」が公表されています。

    SGLT2阻害薬の重篤な副作用として,頻度は低いものの糖尿病ケトアシドーシス(diabetes ketoacidosis:DKA),特に血糖値が正常に近く,一見,DKAを疑わない正常血糖DKAが懸念されています2)3)。血糖値が正常に近くてもDKAは進行すると死に至る場合もあり,注意が必要です。

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