介助あれば歩行可能で体格は小柄な80歳の女性。糖尿病はなく家族歴に特記すべきことはないが,高血圧とリウマチ疾患治療中で,最近は疼痛が強く,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を常用していた。4月上旬よりデイサービスの血圧測定時に脈拍が40/分前後と遅く,労作での変動はないことが指摘されていた。徐々に倦怠感が強くなり,食欲不振も出現したため4月16日来院。入院時の血液検査所見(表1)では腎機能データ異常と,肝機能データ異常,高カリウム血症を認めた。入院時の心電図(図1)は,洞性P波を認めず,著明な洞停止と40/分の接合部性補充調律で,テント状T波を認めた。
本例は肝機能,腎機能の異常と高カリウム血症を認めた。これらがそれぞれどのように関連しているのか,あるいは別々の要因によるものであるのか。さらに徐脈は病態の原因なのか,結果なのか。
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