厚生労働省は21日、2016年「国民健康・栄養調査」の結果を公表し、糖尿病有病者の推計が1000万人に上ることが明らかとなった。一方、糖尿病予備群については07年以降減少しており、推計約1000万人となった。
国民健康・栄養調査は健康増進法に基づき、国民の身体の状況、栄養等摂取量および生活習慣の状況を明らかにするために行われるもので、調査対象は2万4187世帯、うち1万745世帯に調査を実施した。16年調査は12年以降2回目となる拡大調査を実施し、重点項目として糖尿病有病者などの推計人数(図)や体格・生活習慣に関する地域格差を把握した。
HbA1c値が6.5%以上、または糖尿病治療をしている糖尿病有病者は12年調査から50万人増の推計約1000万人となった。1997年調査では推計690万人だったが、調査のたびに増加している。増加の主な要因について厚労省は、①高齢化の進展、②2008年から開始した特定健診・特定保健指導による“掘り起こし効果”─の2点を指摘。同省健康局の正林督章健康課長は「2022年の糖尿病有病者を1000万人に抑制するという健康日本21(第二次)の目標値に6年前倒しで到達してしまった。看過できない数字」との認識を示した。
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