Continuous Glucose Monitoring(CGM)はインスリンポンプに搭載されsensor augmented pump(SAP,ミニメド620Gインスリンポンプ®)として活用されている。SAPは1型糖尿病患者の治療を大きく変えた。CGMは5分ごとに間質液中グルコース値を記録し,このトレンドを知ることで高血糖,低血糖に早期に対応でき,患者のQOLは著明に改善する。生活の変化に合わせた基礎インスリンの調整,摂取する糖質量に対するインスリン量(糖質比)および,高血糖を補正するためのインスリン量(インスリン効果値)の把握が可能になる。Flash Glucose Monitoring(FGM,FreeStyleリブレ®)は15分ごとにグルコース値を記録する。インスリン頻回注射やCSIIを行っている1型糖尿病患者が使用することでSAPと同等の血糖改善効果が得られることが報告されている1)。
SAPのCGMセンサーは6日で交換が必要であるが,FGMは14日間使用できる。SAPは血糖値による較正が必要であるが,FGMは出荷時に較正を終了しており日々の較正は必要ない。しかしながら,間質液のグルコース値は急な血糖変動に遅れて反応することをよく理解して対応することが必要であり,日々の血糖測定を欠かすことはできない。
CGM/FGMは医療者と患者がグルコース推移のデータを共有し,個々のライフスタイルに合った血糖管理を行うことを可能にする。この実現のためには,医療者は得られたデータを正しく解釈し,指導に生かすことが不可欠である。
【文献】
1) Bonora B, et al:J Endocrinol Invest. 2016;39 (12):1391-9.
【解説】
小谷紀子 慶應義塾大学腎臓内分泌代謝内科