MSDはこのほど、2型糖尿病の発症・進行のリスクを持つ人の4割以上が、リスクを指摘されながらも再検査を受けていないとの調査結果を公表した。
調査は今年6月6~15日、40歳以上の2型糖尿病の発症・進行のリスクがある男女4700人(各都道府県100人)を対象にインターネットで実施された。
それによると、健康診断などで高血糖を指摘・判定されたことがある4518人のうち、その後も医療機関で血液検査を受けていない人は43.2%(1952人)に上った。検査を受診しない理由では、「検査を受けなくても、その後受診について特に何も言われないから」が44.0%を占め、「特に気になる症状がないから」22.7%、「面倒だから」15.9%―などが続いている。
自身の糖尿病発症・進行のリスクを「低いと思う」「とても低いと思う」とした回答は、糖尿病未治療者(4700人)の44.2%(2075人)を占めた。その理由(複数回答)としては「糖尿病の症状らしきものを感じたことがないから」が44.7%と最も多く、「普段、食生活の管理や運動をすることを心がけているから」は40.9%、「太っていないから」は20.0%に上った。糖尿病の治療法のうち、「抵抗感がある」「やや抵抗感がある」との回答が最も多かったのは薬物療法(57.5%)で、食事療法では40.8%、運動療法では27.7%だった。
調査を監修した小田原雅人東京医大教授は「自身の健康に対する過剰な自信がみられたり、糖尿病に関する知識・関心が低かったりと、糖尿病の発症や進行のリスクがある人たちが適切な対処を充分に行っていない実態が示された」とコメントしている。