高尿酸血症は日常診療の中で高頻度に遭遇する病態である。尿酸塩結晶の関節内蓄積が痛風関節炎を起こすことはよく知られており,高尿酸血症が痛風発症のリスクであることは疑いのない事実である。しかしながら,尿酸自体にも様々な生理的活性があると考えられており,生活習慣病の各種病態においても高尿酸血症は一定のリスクになると考えられている。さらに尿酸トランスポーターが発見されて以来,高尿酸血症の病態についての理解は格段に進歩しており,高尿酸血症に対する介入試験も開始され,その結果が待たれている。
本特集では,高尿酸血症と生活習慣病の関連について,3名のエキスパートに疫学や病態からアプローチしていただいた。日常診療における高尿酸血症の理解を深めることに役立てて頂ければ幸甚である。
1 高尿酸血症と生活習慣病:疫学的な関連とそのメカニズム
安田女子大学家政学部管理栄養学科教授 箱田雅之
2 高尿酸血症とCKD:病態と治療
帝京大学医学部内科学講座教授(腎臓内科) 内田俊也
高尿酸血症とメタボリックシンドローム:病態と治療
山陰労災病院循環器科部長 水田栄之助
鳥取大学大学院医学系研究科再生医療学分野教授 久留一郎