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ANCA関連血管炎に対する寛解導入療法の選択【シクロホスファミド(CY)の間欠静注療法が至適。CY使用不可例・再燃例へはリツキシマブを推奨】

No.4884 (2017年12月02日発行) P.58

桑名正隆 (日本医科大学付属病院リウマチ・膠原病内科教授)

佐田憲映 (岡山大学リウマチ・膠原病内科准教授)

登録日: 2017-12-01

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  • 顕微鏡的多発血管炎や多発血管炎性肉芽腫症など抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)関連血管炎は,シクロホスファミド(CY)を用いた寛解導入療法の導入により生命予後が大幅に改善されました。一方,高齢者やCYによる骨髄抑制などの副作用により治療を完遂できない例も時にみられます。最近,ANCA関連血管炎の寛解導入療法,維持療法の選択肢にリツキシマブが加わりました。寛解導入療法としてCY,リツキシマブをどのように使いわければよいでしょうか。岡山大学・佐田憲映先生のご教示をお願いします。

    【質問者】

    桑名正隆 日本医科大学付属病院リウマチ・膠原病内科 教授


    【回答】

    わが国のANCA関連血管炎患者は,欧米と比較してミエロペリオキシダーゼに対する抗体(myeloperoxidase:MPO)-ANCA陽性で高齢者が多いことがわかっています。また,欧米ではあまりみられないような間質性肺炎の合併が多いことも特徴です。

    これら特徴の大きく異なるわが国のANCA関連血管炎患者において,欧米で行われたANCA関連血管炎に対する臨床研究の有効性や安全性が同等と考えてよいのかどうかは,まだ十分には明らかとなっていません。しかし,わが国から発信されているエビデンスが少ない現状では,海外のエビデンスに基づいた治療の選択を行うのが最善と考えます。

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